元虎の行方

広大は未だにオファーはないとのこと。阿部はヤクルト、桟原は西武とすんなり決まり、杉山は独立リーグの富山でコーチ兼任としての入団が決まったわけで。育成の田中と高田、葛城、下柳も広大と同様に決まったない模様。下柳は年齢的に厳しいし、葛城も来年で35歳やし厳しいよな。田中と高田はプロでの実績がないしね。広大はどこか拾ってくれたら良いんやけどね。

今季限りで阪神自由契約となった桜井広大外野手(28)が30日、現役続行に強い意欲を見せた。2度にわたるトライアウト受験など新たな活躍の場を求めた桜井だが、この日まで他球団からのオファーはなし。瀬戸際に立たされた28歳は「可能性がゼロになるまであきらめない」と海外でのプレーも視野に新天地を模索する考えだ。
眠れぬ夜が続く。野球しかない。何度考えてもその思いは変わらない。なのに力いっぱいバットを振る場所は、いまだ見つからない。
「お金じゃない。どこでもいいから野球をやりたい。やり切りたい…」
焦り、悔しさ、もどかしさ…。そして同時に、今まで当たり前のようにあった環境がどれほど恵まれたものであったのかを思い知った。
01年度ドラフトでPL学園高からドラフト4位で入団。07年開幕後に1軍初昇格を果たすと、右翼レギュラーに定着した。09年には規定打席にこそ届かなかったものの打率・302、12本塁打の活躍。しかし翌年に右肘痛を発症。オフに手術を受けて今季の巻き返しにかけたが、出場機会は得られなかった。
「壊れても仕方ないと思いながらやったつもりだったけど、知らず知らずのうちにセーブしていたかもしれない。自分に甘さがあった」
復活を阻み続けた右肘。夏場には打撃にも影響を及ぼしたこともあったが、9月にはフルスイング、全力での送球ができるまでに回復した。完治への手応えを感じた矢先の戦力外通告。「壊れるまでやればよかった」。尽きぬ後悔。しかしそれと引き換えに、復活への土台だけは残った。
年内の鳴尾浜球場での自主トレを経て、年明け早々に兵庫県内の施設で自主トレを再開する。今後は引き続き国内球団からのオファー待ちながら韓国球界など海外にも視野を広げながら活躍の場を模索する考えだ。
戦力外通告を受けた後、自宅でタテジマ全927打席をDVDで振り返った。07年7月11日、東京ドームでの初本塁打。何度も見た。この回、先頭・金本が四球。続く林の右前打に、アニキは左ひざの痛みをこらえながら三塁まで達し、桜井の一発を呼び込んだ。
「もし無死一、二塁だったらバントのサインだったはず。金本さんとファンの声援が打たせてくれたホームランです。最高の環境で野球をやらせてもらったのに、期待に応えられなかった。それが悔しい…」
大好きだったタテジマ、そして虎党との別れ。でも、ここでバットを置くわけにはいかない。夢がある。非情通告から80日が過ぎた今もなお、何度も夢に現れるあの光景が、桜井の体を揺さぶり起こすのだ。
いつかまた甲子園の打席に立ちたい。甲子園のバックスクリーンに、でっかいホームランを叩き込みたい‐。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111231-00000022-dal-base